商標調査

特許庁のJ-Plat-Patを使った商標の調査の方法について全般的なことから書き始めたいのですが、今回は小売の役務に関することだけスポットで。

具体例で書きます。「洋服」(K25 17A01)について調査する場合と、「洋服の小売」(K35 35K02 (17A01))について調査する例です。

※注 国際分類をK25等、類似群コードを17A01等と表示しています。

「洋服(17A01)」と「洋服の小売(35K02)」は類似関係があるとして、クロスサーチされます。そこで、「洋服の小売」の商標については、J-plat-Patのデータでも、「35K02, 17A01」が付けられます。

それに対して、商品商標では、小売の役務の出願が開始された後(2007年4月)の出願でも、「17A01」が付けられるだけで「35K02」は付けられません。

理由を考えると、「洋服の小売(35K02)」は必ず「洋服(17A01)」に対応するけれど、「35K02」は、「被服(洋服を含む)の小売(35K02)」も、「履物の小売(35K02)」も、「かばん類の小売(35K02)」も含むので、「洋服」の商標のデータに「35K02」を付けると範囲が広がりすぎるので「35K02」を付けることができない、ということのようです。

そこで、具体的に調査をする時のことを考えますと、「洋服17A01」で検索をすれば、「洋服の小売」には「35K02, 17A01」を付けていますので、必ず、「洋服の小売」もヒットする、ということになります。

その反対に、「洋服の小売35K02」の側から検索をする時には、「35K02」で検索すると、小売の役務商標35K02を含む商標(履物の小売とかばん類の小売を含む)だけが検索結果に上がり、商品商標(17A01)はヒットしないことになります。

したがって、小売について検索するときには、その類似の商品(商品商標)についても別個に類似群を追加して検索する必要がある、ということになります。

さらに具体例にします。役務「洋服の小売」に商標「フジモトパッテム」を検索する場合で、先登録として商品商標「FUJIMOTOPATTM」だけがあるとしましょう。

「35K02」(洋服の小売)で「フジモトパッテム」を検索すると、「FIJIMOTOPATTM」商標はヒットしません。

「35K02, 17A01」で検索しないと有効な結果を得られないということです。

今日、調査していて気になって考えた所です。早速ニュースにしました。

文責:広瀬