広瀬の独り言


小売の役務商標

2017/01/26 18:52 に 綾子藤本 が投稿   [ 2017/01/26 18:52 に更新しました ]

 小売に関する役務商標の登録制度が20074月から導入されました。役務商標の導入も商標制度の変容としては大きなものがありましたが、それ以上に小売役務の商標の導入は、商標の根本にかかわる問題であったと思います。

 一段落した今、少し振り返って考えてみたいと思います。

2006-2007の段階では、私は、商標は商品に結びついたものであって、商品が存在しない役務商標は例外的なもの、したがって限定的に考えるべきものと考えていたと思います。そこで、小売の役務についても、商品商標で賄えるものはなるべく商品商標で賄い、賄いきれないものだけを「小売」で考えれば良い、と考えていました。

 同時にその正反対の考え方、「小売という役務は、どのような役務であるのか、その実態を見極めて、法体系の中に取り込むべきではないか。」という考え方も持っていたようです。

 今回、自分で見直してみて、「ニース協定」の類別表の説明を国内法より上位に考えるとすれば(条約の方が国内法より上位にあります。しかし説明書まで上位にあると言えるかは疑問。)国内法の解釈の1つとしてある青本の考え方、「有償性」「独立性」は、一つ引きさがって考えるべきものと考え始めています。

 つまり、ニースの類別表では、「他人の便宜のために各種商品を揃え、顧客がこれらの商品を見、かつ、購入するために便宜を図ること。当該サービスは、小売店、卸売店、カタログの郵便による注文、またはウエブサイトまたはテレビのショッピング番組などの電子メディアによって提供される場合がある。」と規定されていますが、それをそのままを受け入ようと、私は思い始めています。そうなると、いわゆるお店を構えていれば、ともかく小売の役務だということになります。

 「他人の便宜」はやはり、「顧客の便宜」であると読むべきだと思います。「各種商品」もそのまま読めば、自己の製造したものであれ、第三者の製造したものであれ、商品と考えるべきものと思います。一箇所に多数の商品が集められていれば、基本的にお店です。例外的な形態のカタログ販売や、ウエブサイトもお店として認めるということです。

 これが、2つ目の考え方として紹介した「小売という役務はどのような役務なのか?」を考えることです。

 多数の商品を集めて販売するという点を考えれば、「個々の商品の販売」は、個別商品の販売で商標法第2条第13号の譲渡になり、「多数集めて便益を提供」する、という部分が小売の役務の本体ということになると言うこともできます。そして、それが取り揃え賃として有償性を有するか、と考えることはしない、ということです。独立の取引対象という部分も、除外すると考えるべきです。

 したがって、多数の商品を集めるということを、どの商標を使ってしているか、と考えると、お店の看板、担当部署の看板位までが役務商標と言うことになります。それより小さな 個別の商品の商標は、小売の役務を表示する商標ではない、と言うことになります。

 そうであれば、商品商標と小売商標は峻別できます。商品商標と小売商標との間に類似関係は元々考えなくても良かったということになります。単にクロス・サーチの要否の問題ではなくて、本質的に不要だということが判ります。

 紀伊国屋(出版)の本を三省堂(書店)で売っても、誰も、販売しているお店が紀伊国屋だと誤認しないということです。同じく紀伊国屋の本を三省堂が発行しているとも思わないということです。逆に紀伊国屋(書店)で三省堂の辞書を売っていても同じです。

 もう少し別な方向からも考えましょう。

 商標が、商品の製造票に起源を持つ、ということから考えると、商標は本来、商品に直接付けられた(商品と分離不可能な)ものではなかったのか、と思います。凹凸で表現するものや、名前を商品に書く等々です。商標を付する行為というのが、明確にあったと思います。お茶碗の底の記号、文字。お菓子の焼き鏝等々。その次の段階が洋服等にタグを縫いつける等があったと思います。(無理すれば、商品から商標を切り離すことができる状態です。)さらに、その次のステップでは、下げ札が出てきて、販売時以外は、商品から商標を切り離すということが生じてきたのだと思います。

 商品の広告、取引書類についての使用は、広告媒体との関係で、商品に付けられていませんが、商標の使用と認められることになります。

 これに対して、役務では、サービスの行為自体は(物ではないので)商標を付けることができません。物理的に不可能です。そうなると、商標は、役務提供(行為を行う時)のその場所の近く置くしか方法がない、ということになります。

 行為が提供される場所(建物)の外に掲げられた看板が基本であったと思います。レストランと書いてある看板のある建物の中で役務が提供されました。それから、独立の建物でない場合には、役務が提供される場所(部屋)の入口および内部に商標が表示されるようになったのではないでしょうか。

 つまり、商標は商品と分離できないものから、だんだんに分離できるものに進み、ついには、結合すること自体が不可能な役務についても商標を考えることができるようになったのだと思います。

 業務上の信用の保護という意味では、商品についても、役務についても共通するということができます。

 役務が商標の対象となりましたが、当初は商品になり得ないものだけが役務として保護されるものでした。

 それが、小売の業務を商標の対象にすることによって、今迄、商品商標としてカバーしていた領域と、重なるとも言える役務が生じてしまった、ということです。

 小売という役務は、商品という物を売買するのですから、対象物として商品を介することが出来ました。だから、商品商標の考え方を押通すことができる部分があると考えていました。しかし本来は、小売の役務は、商品を中心に考えて来た今までの考え方を変更するものだったと思います。

 小売役務の導入に際して、独自の行為(役務)を考えられるかをもっと考えるべきでした。

 しかし、その根本からの変更とは考えないで、小手先で、制度を入れてしまったことで、商品を中心に固めてきた商標という考え方に対して、不十分な考えを取り込んでしまったと思います。

 商品商標でカバーできるところは、出来るだけ商品でカバーし、カバーしきれない部分についてだけ、役務商標を認めるということで良い、というやり方でした。

 しかし、これを押しすぎると、自分の商品を販売することは商品商標で、他人の商品を小売する時は役務の商標という判りにくい議論をするようになります。同じ店で売っている商品を、誰が造ったものかで区別し、役務(小売)であったり商品商標であったり、というのでは論理の一貫性がありません。

 有償性は、青本の考え方に過ぎません。ニースの注釈を優先させるべきだと思います。ニースの注釈に「有償性」が書かれていない以上、有償性を判断の要素にはできません。むしろ、その有償性は、小売という業務が営業的に行われているかの問題なのだと思います。

文責:広瀬

商品と役務

2017/01/26 18:51 に 綾子藤本 が投稿   [ 2017/01/26 18:51 に更新しました ]

 面白い、けれど難しい質問を受けました。皆さんにもNewsでお裾分け。

 「既製品の洋服」(つるし)と「イージー・オーダー」と「仕立て」の関係です。既製品の洋服は(K25 17A01)で、お店で商品を見て選んで買います。「商品」を買います。だから商品商標(商標法第2条第1項第1号)です。これに対して、「お仕立て」は、布を用意して仕立屋さんに出向き「縫ってください。」と頼みます。仕立屋さんの提供するのは行為(役務)(K40 40B01)です。だから、仕立屋さんのお店に出てる看板は「役務商標」(同法第2条第1項第2号)です。

注 国際分類をK25等、類似群コードを17A01等と表示しています。

 さて、「イージー・オーダー」はどうでしょう。「この商品をください。でも袖を少し詰めてね。」(僕の場合は、ズボンの裾を極度に詰めて、胴周りを出してもらうということになりますが。トホホ。)と頼むのは、商品の販売に付随するサービスです。裾上げも付属する役務で(有料の場合も含めて)。

 デパートで買い物した商品の無料のお届けは、付随するサービスです。独立した役務商標の対象ではありません。有料で届けてくれる場合もほぼ同じです。買った商品の値段と送料がリンクするというのは、その表れです(商品代価が1万円以上は無料、それ以下は有料、というような。)反対に、お店で、宅配便の紙に書き込んで渡すという場合には、宅配という役務(役務商標の対象)のお手伝いをお店がしている、と言えます。伊豆下田の干物屋さんでは、そうしてくれます。

 洋服の形は決まっていて、生地を選ぶのと、ズボンのタックをシングルにするかどうかズボンを2本付けるかを選択する程度の「イージー・オーダー」も商品の販売に近いと思います。対価の額の対比も考慮されます。

 「対価の額の対比も考慮されます。」と書いてから、ものすごく高い生地を買って仕立ててもらうと仕立料は相対的に安くなり、安い生地を仕立ててもらうと仕立料は高くなります。でも一般的には対比を考えます。

 その場で生地を買って、仕立てを頼むのは、生地(商品)の販売と、仕立の役務の複合と考えた方が良いですね。

 お仕立券付きのワイシャツ生地は、役務で考えるべきでしょうか。どうもお仕立てする方に重点があると思います。

 判子の石を選んで彫ってもらうのは、彫ることが中心なのですが、これは商品の販売と考えます。石の販売を判子屋さん(彫る人)しかしていないからでしょうか。

 指輪を指に合わせるのは、商品の販売に付随する役務です。

 では生簀の魚を選んでその場で料理してもらって食べるのは?魚(商品)の販売と料理の提供(役務)との複合と考える?こちらは飲食物の提供(役務)の中に含まれている気がします。イカを握ってもらうか、トロを握ってもらうか選ぶのとあまり変わりがない、と言えるでしょう。

 食べ物は、お持ち帰りだと「商品」、お店で食べさせるのは「役務」と説明しています。ハーゲンダッツを店先にたむろして食べるのは「商品」です。

 フードコートのように食べる場所が用意されていても、「商品」と考えたい。店内で食べるというよりはお持ち帰りに近いと思います。

 それよりも、今回の問題は難しいですね。

 お菓子の話もありました。注文を受けてウエディングケーキを作るというような。乗せる人形とデコレーションの花が違う程度と思っていたら、その程度ではない、と。注文者と会って、そもそもの馴れ初めを聞いたりして、そのイメージをケーキに表現する、とか。

 特許庁のJ-plat-patの商品・役務リストでは「注文に応じたお菓子・パンの製造」がK40 40C09に分類されると書いてありました。でも、40C09は、元々「食料品の加工」です。これは、お米を持ち込んで「精米」してもらうとか、「製粉」とか「サトウキビから砂糖を作る」というのが本来の意味ではないでしょうか。そう、「お菓子の製造」ですね、「製作」ではないですね。1品のウエディングケーキは「製造」ではないですよね。まぁ、批判はともかく、そういう分類が掲載されています。

 普通の製粉会社は、自分で原料を買ってきて自分で粉にします。そして粉という「商品」を売るということになります。

 住宅に関しては「注文住宅の建設」というのがJ-plat-pat に掲載されていましたが、こちらは元々の建築工事一式(37A01)の概念の中に含まれていると考えて良いと思います。建築条件付きの土地の売買は、K36D01(土地の売買)とK37A01(建築一式工事)との複合ですね。

 「入れ歯」は、治療の一環だからでしょうか。「入れ歯の作成」という役務は審査基準のリストには掲載されていません。でも歯医者さんは、歯科技工士さんに歯を作るのを注文していますね。でもあれは、歯を作る一部を技工士さんに出しているだけでしょうか。技工士さんは歯科医の手足でしょうか?技工士さんが商標を取りたいと言ったらどうしましょう。商標はどこに表示しましょうか?

 さて、商品「かつら」はどうでしょう。既製品でポッと被れば良いものもあれば、頭の形を取って、かつら生地の形をつくるオーダーメードで、自毛となじませる調髪をするのもあります。さて。

文責:広瀬

商標調査

2017/01/26 18:48 に 綾子藤本 が投稿   [ 2017/01/26 18:48 に更新しました ]

 特許庁のJ-Plat-Patを使った商標の調査の方法について全般的なことから書き始めたいのですが、今回は小売の役務に関することだけスポットで。

 

 具体例で書きます。「洋服」(K25 17A01)について調査する場合と、「洋服の小売」(K35 35K02 (17A01))について調査する例です。

注 国際分類をK25等、類似群コードを17A01等と表示しています。

 「洋服(17A01)」と「洋服の小売(35K02)」は類似関係があるとして、クロスサーチされます。そこで、「洋服の小売」の商標については、J-plat-Patのデータでも、「35K02, 17A01」が付けられます。

 それに対して、商品商標では、小売の役務の出願が開始された後(2007年4月)の出願でも、「17A01」が付けられるだけで「35K02」は付けられません。

 理由を考えると、「洋服の小売(35K02)」は必ず「洋服(17A01)」に対応するけれど、「35K02」は、「被服(洋服を含む)の小売(35K02)」も、「履物の小売(35K02)」も、「かばん類の小売(35K02)」も含むので、「洋服」の商標のデータに「35K02」を付けると範囲が広がりすぎるので「35K02」を付けることができない、ということのようです。

 

 そこで、具体的に調査をする時のことを考えますと、「洋服17A01」で検索をすれば、「洋服の小売」には「35K02, 17A01」を付けていますので、必ず、「洋服の小売」もヒットする、ということになります。

 その反対に、「洋服の小売35K02」の側から検索をする時には、「35K02」で検索すると、小売の役務商標35K02を含む商標(履物の小売とかばん類の小売を含む)だけが検索結果に上がり、商品商標(17A01)はヒットしないことになります。

 したがって、小売について検索するときには、その類似の商品(商品商標)についても別個に類似群を追加して検索する必要がある、ということになります。

 

 さらに具体例にします。役務「洋服の小売」に商標「フジモトパッテム」を検索する場合で、先登録として商品商標「FUJIMOTOPATTM」だけがあるとしましょう。

 「35K02」(洋服の小売)で「フジモトパッテム検索すると、「FIJIMOTOPATTM」商標はヒットしません。

 「35K02, 17A01」で検索しないと有効な結果を得られないということです。

 

 今日、調査していて気になって考えた所です。早速ニュースにしました。

文責:広瀬

不使用取消審判 立証問題②

2017/01/26 18:47 に 綾子藤本 が投稿   [ 2017/01/26 18:47 に更新しました ]

 さらに、難しい話になります。具体的にしか書けません。

 現在の商品区分だとK21で「観賞魚用水槽及びその付属品」(19B33)に属する商品で、具体的には観賞魚用水槽のろ過器です。

 「その付属品」であることは確かです。だから、K21に書換えた後に不使用取消審判を受けたのであれば、使用と認められ、登録は維持される場合です。

 ところが、今回の問題は、旧分類のまま「観賞魚用水槽用ろ過器」で、使用を証明する必要があるものです。

 当方の使用しているものは、ろ過器ではあるのですが、誰が何と言ってもろ過器と言える典型的なろ過器という訳にはいかないのです。典型的なろ過器であれば、器の中にろ過材が入っていて、ろ過材の中を強制的に水を通すということになると思います。今、webを見たら、水中に置くだけの箱型のものもありますね。強制的な通水はしていませんね。でも、どうやって水との接触面を増すようにしているのでしょう。

 それで、今回、手元にあるのは、真ん中に穴のある円筒形の動かない物なのです。パイプ状ですね。その壁の外側にも内側にも沢山の襞でできていますが。さて、これで「器」でしょうか。

 さて、そこで、何が問題かと言うと、商標を使用する権利は、同一性の範囲内だけで、類似の範囲を含まないということなのです。だから、これが「ろ過器」ではなくて「ろ過材」だと認定された場合には、権利範囲内の使用ではないから、使用とは認められない、つまり登録を取消されるということなのです。さらに、その他人が商標登録を得た場合は、権利侵害となり、先使用の立証が必要になります。

 現在の使用がろ過材と判断されたとして、ろ過材で他人が現実に使用している商標を不使用として取消して、第三者に「ろ過器」で同一の商標の登録・使用を認めるべきか、という問題です。

 「『ろ過材』であるから『ろ過器』ではない。」と言わないで、「ろ過器」の一種として認めてくださいよ、というお願いモードの気分です。

 文責 広瀬

不使用取消審判 立証問題①

2017/01/26 18:44 に 綾子藤本 が投稿   [ 2017/01/26 18:46 に更新しました ]

 不使用取消審判を請求させる度に思うことなのですが、答弁書を書いた直後でないともう切実な問題ではなくなるのか、書こうとしないので、今日は書きましょう。

 不使用取消審判では、挙証責任の転換がされています。審判を請求する側ではなくて、審判を請求された側が、商標を使用していることを証明するという証明責任です。

 確かに、商標を使用していないことを証明するのは難しいことだと思います。

 商標の調査で、同一・類似の商標がある、ということは容易に言えるのです。登録番号xxx番の登録がありますよ、と言えるからです。でも類似する商標がありません、と言うには、登録番号xxx番とは類似しない、とは言えても、もっと他に存在しないの?と言われたら、証明のしようがないのです。そこで「私の調査した、これこれの範囲内にはありません。」と言うしかないのです。

 使用をしてない証明も同じで、東京都では使っていないと言えても、では大阪では使っていないの?奄美大島では?という疑問は出るのです。

 そこで、使用している本人は、使用していることを知っているのだから、容易に証明できるのだから、立証責任を転換してしまえ、というのが現行法です。

 ここからが問題なのです。「使用している本人だから、使用していることを知っている。」は当然です。しかし、それを立証する、というのはやはり難しいことなのです。

 まず、商品が同一性の範囲内にあるか、が問題です。K25「靴類」に権利を持っていたと仮定して、「げた」に使用していたのではダメですか?「テニスシューズ」ではダメですか?「ジョギングシューズ」では?

 では権利がK25「履物」であったら、「ゲタ」と「テニスシューズ」では助かりますか?

 次は、商標が同一性の範囲内にあるかどうかの問題です。「いろは」という権利で、「イロハ」と使っていたらどうですか?「i ro ha」ならどうですか?「i ro は」なら?

 「どん兵衛」という商標を「どん」「兵衛」と2列に書いて使用していたらどうですか?

 この問いにスラスラ答えられる人が居たら、僕がスカウトします。

 どうして、権利者が商標の使用を証明するのが簡単だと言えるのでしょうか?

 まだ、要件はあります。不使用取消審判の予告登録がされた時の前3年以内に使用していたことを証明せよ、というのです。不使用取消審判の請求書を受け取って、「今の今使ってますよ。」と店の商品棚の写真を撮って、「3年前だって使ってましたよ。店を始めたのは5年前なんだから。」と言ってもダメなのです。「証明できていない。」と審決では言われます。これが現在の審判の状況です。

 今日の証明書では、予告登録が2008年7月29日で、こちらの見積書の日付が2005年5月16日です。「納期は別途打ち合わせ、支払条件は納品後2ヶ月、見積書の有効期間は3ヶ月。」と見積書に書いてあります。この見積書で、予告登録前3年の間(2005年7月30日2008年7月29日)の使用が証明できたと、あなたは判断しますか?

 おそらく、あなたが特許事務所の担当者なら「心配だから、もっと最近の見積書をください。」と依頼者に言うはずです。そして依頼者は、また別の見積書を探さなくてはならないのです。どうして、証明が簡単だと言うのですか?

 僕が日ごろ主張していることを書きます。

 権利者側の証明は、「証明」ではなくて、「疎明」で十分とすべきです。その提出された証拠が疑わしい時だけ、更に証明を求めることができる、というので十分ではないか、と。

 また、犯罪の立証側に対して、被告は合理的な疑問を差し挟めれば良い、という被告側の立証で十分とすべきです。アリバイ(不在証明)の程度で十分と。

 それでなくては、請求人と被請求人の衡平は保てないと僕は思っています。

 「2列に書いた『どん』と『兵衛』では、一列に書いた『どん兵衛』の使用とは言えませんから、別の証拠を出してください。」と審判官が被請求人に通知するというので何か問題がありますか?審尋とか、求釈明という位置付けで良いと思います。

 現行法とは違うことを考えていますが、こんな風に考えています、というのをお見せしたくて。

 そういう変なことを考えている人には、「俺の仕事は依頼できない。」と考えられてしまうと不味いので、このニュースはなかったことにしてもらって...

 文責 広瀬

商標の本の紹介

2016/12/12 18:25 に 綾子藤本 が投稿   [ 2016/12/21 1:44 に更新しました ]

商標に限らず、工業所有権(知的財産権)一般について、概略を知って頂く本の紹介です。

○ 工業所有権法研究グループ編「知っておきたい特許法」発行:株式会社朝陽会、発売元:全国官報販売協同組合をお勧めしています。法律臭くなく普通の言葉で説明してあります。知っておいて欲しい項目を良く拾ってあります。特・実・意・商だけでなく、不正競争防止法、著作権法も載っています。条約はパリ条約だけで物足りませんが。

○ 条約については、パリ条約、特許協力条約、マドプロに分けて荒木好文「図解○○」発明協会があります。読みやすいのでお勧めです。

○ 商標法では、その次に読める本が余りなくて、特許庁編「工業所有権法(産業財産法)逐条解説」発明協会 の商標法第3条、第4条を読んでください、と言っています。

古い本で、手に入らないのですが、江口俊夫「新商標法解説」萼工業所有権研究所出版部は、読み易いし、説明としては判り易い本です。

その次というか、行き止まりで網野誠「商標」有斐閣。分量があります。

その他に田村善之「商標法概説」弘文社等があります。

○ 「知っておきたい特許法」の後は、特許庁の電子情報プラットホーム(J-Plat Pat https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage)につないで、各種の案内を見てもらうのも良い方法です。

○ なお、高林龍「標準 特許法 4版」有斐閣 には、電子情報プラットホームで特許の明細書を読む方法等具体的なことが書いてあります。講義を聴く学生用の案内ですが役に立ちます。法律家の書いた特許法の本、ということで安心して読めます。手続きについて書き足らないところもありますが。

文責:広瀬

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